☆★☆★☆★ 亡国のイージス ☆★☆★☆★

未来は渡さない。

 東京湾沖で訓練航海中のイージス護衛艦〈いそかぜ〉の中で戦後日本最大の危機が進行しつつあった。沖縄米軍基地から奪われた化学兵器〈GUSOH〉が、某国の特殊工作員によって持ち込まれたというのだ。首謀者は、対日工作員ヨンファ。先任伍長・仙石がその情報を掴んだ時、艦長はすでに命を奪われていた。仙石は、イージスシステムの経験者として艦に新たに乗り込んだ如月行が特殊工作員ではないか、と目星をつける。
 が、直後、副長・宮津二佐から総員離艦命令が発動された。苦渋の思いで部下と共に艦を降りる仙石。意外にもヨンファと手を結び、国家に対して反旗を翻したのは、副長の宮津、その人だったのだ…。やがて、宮津は無線機を手に取る。「現在、本艦の全ミサイルの照準は東京首都圏内に設定されている。その弾頭は通
常に非ず」。ミサイルの弾頭には、わずか1リットルで東京を廃墟に変える威力を持った〈GUSOH〉が搭載されていた。
 防衛庁情報局(DAIS)内事本部長・渥美らが対策を練るが、最新鋭の防衛システムを持つ〈いそかぜ〉に隙はない。首都を人質にされながら、なす術もない政府。そんな中、仙石はたった一人で艦に舞い戻った…。政府に突きつけられる宮津の要求。対日工作員ヨンファと事件の裏を知る渥美の思惑。そして、正体不明の如月とは何者なのか。国家を揺るがす論文「亡国のイージス」とは?
 やがて政府はF2戦闘機による「いそかぜ」爆撃を決定する。はたして仙石は艦攻撃の前に宮津らの謀略を阻止することができるのか。艦を守りきることができるのか。未曾有の危機の中で男たちの運命が激突する。